MSP修了生招聘事業実施

2020年2月20日

令和元年11月19日から23日までの間、「海上保安政策プログラム(以下「MSP」という。)修了生招聘事業」として、MSPを修了したアジア諸国の海上保安機関の実務者を日本に招聘しました。

本事業は、将来、各国の海上保安政策の立案・実践において中心的な役割を担う活躍が期待されているMSP修了生に対し、定期的にわが国への招聘を行い、意見交換会等を通じて、 各階層における相互理解を促進するとともに、当庁とアジア諸国の海上保安機関との国際ネットワークの強化を図ることを目的として、企画されました。

内容としては、

  1. 世界海上保安機関長官級会合へのオブザーバー参加
  2. アジア海上保安機関実務者会合(課題形式のワークショップ)

等となっており、インドネシア、フィリピン、ベトナム、マレーシア、スリランカ及び日本のMSP修了生(2・3・4期生)計19名が参加しました。

ワークショップでは、薬物密輸対策のために多国間における新たな教育訓練プログラムのあるべき姿を議論するため、参加者を、3グループに分け、 これまで実施してきた教育訓練プログラムの成果・課題を抽出し、今後の教育訓練プログラムの改善案を発表しました。

ワークショップでの議論の結果として、
 - 薬物検知器等の技術に関する知識不足を補うための教育訓練が必要であり、また、インテリジェンスの共有が重要(グループ1)
 - 各組織によって機能・権限にギャップがあることから、共同オペレーションに向けた共通知識付与のための新しい教育プログラムが必要(グループ2)
 - リソース(人・物・金)不足が課題であり、そのための政治への働きかけを含め、多国間の共同オペレーションに向けた仕組み作りが重要(グループ3)
といった課題及び改善案等がそれぞれのグループから発表され、薬物密輸対策に係る今後の新たな教育訓練プログラムに必要な事項等について、議論を深めました。

MSPで得た知識を基に各国海上保安機関で実務経験を積んできたMSP修了生が、現場実務における改善すべき事項を洗い出し、それらについて議論した今回のワークショップは大変有意義であり、 ここで得られた改善案について、MSP修了生が各国に持ち帰り、フィードバックすることにより、各国海上保安機関のより一層の能力向上が期待されます。

今後とも、本事業を定期的に実施し、アジア諸国海上保安機関の相互理解の促進及び国際ネットワークの強化を図って行きたいと思います。

(中島 雄大:海上保安庁)

MSP修了生の活躍

平成30年度にMSP(3期生)を修了し、現在、マレーシア海上法令執行庁国際課に勤務するAbd Hafis Bin Hussin(ハフィス)さんが、 本事業でMSP修了生がオブザーバーとして参加した第2回世界海上保安機関長官級会合において、マレーシア海上法令執行庁長官を直接補佐する大役を果たしました。

PAGE TOP