第70期 第5号 ドック実習

2024年3月21日

日時

令和6年2月8日(木)~3月8日(金)

場所

向島ドック

天候  ー

練習船こじまは現在、4月から始まる遠洋航海に向け、広島県尾道市に所在する向島ドック(造船所)において、船体や機関等の修理を実施しています。実習生は普段見ることのできない作業風景を見学し、船舶についての理解をより一層深めるとともに、現場に主任の士として配属された際に必要となる造修に関する知識を日々学んでいます。

実習生のコメント

ドックでは、船を入渠させ、船底など通常船が海に浮いている状態では確認できない部分の整備も行います。ドック実習では、行われている作業全体を監督する監督班と実際に作業を行う作業班に分かれて、全体的な整備の進捗状況を把握し、工程や品質、安全管理について学び、また、様々な作業を経験することができ、現場において主任航海士としてドックを担当する際に幅広い視野で船全体を管理できるように経験を積んでいます。日々、船舶の構造や造船技術について新しい知識を得ることができ、とても充実した実習ができていると感じています。次に控えている遠洋航海の、長期にわたる航海でこじまが良い状態を保てるよう、気持ちを込めて作業にあたり、安全に航海ができるよう、残りの実習も準備を進めてまいります。

(航海科 野上 亮子)

ペンキ塗りを行う航海科実習生
ペンキ塗りを行う航海科実習生

ドック実習において、航海科実習生は、船体塗装作業や船舶安全法に基づく船舶検査、舵やプロペラの動作確認など船体の整備を行っています。通常の航海実習では見ることのできない船底部や諸タンク内部を確認することができ、日頃使用している設備の詳しい構造や仕組みについての理解を深めることができました。さらに、ドック内ではクレーンを使用した高所作業、有機溶剤を使用する塗装作業など危険を伴う作業が常に行われており、これらの現場作業を実際に見ることで、どのような箇所に危険が存在するのかを知ることができました。今年の12月に主任航海士として現場に出る私たちにとって、船体設備に対する理解や危機管理能力は必要不可欠なものとなるので、ドック実習を通して、さらなる知識、技能の向上に努めていきます。

(航海科 出羽 太陽)

甲板作業を行う航海科実習生
甲板作業を行う航海科実習生

私たち本科70期実習生にとって初めてのドック作業は、数々の貴重な実習を積む機会となりました。ドックでは作業班と監督班に分かれます。作業班では普段の航海中では整備の行えない機器の整備等、監督班は機器の受検の立ち合いや、整備中に新たに発生した不具合箇所の修理の申請等を行います。機関科実習生は、先月の工場実習に引き続き、民間企業で活用されている技術や機械に触れることで、新たな経験をすることができ、これまでの大学校での授業やこじまで得た知識を実際の作業に結びつけることができました。また、これまでの実習では機械の構造を学び、実際に動かしてみるといった方法で理解を深めていましたが、今回のドック実習で構造の複雑な機械を分解して、整備しまた組み立てるといった方法で理解を深めています。本実習を通じて、今まで学んできたことに磨きをかけ、今後の機関科船務に繋げていきます。

(機関科 池澤 広大)

 

バルブ整備を行う機関科実習生
バルブ整備を行う機関科実習生

ドック実習では船舶に搭載されている機器の清掃、点検の一環として分解整備も行います。機器の清掃では、普段あまり見ることができない細かい部分を見ることで、その機器の構造への理解が深まります。分解整備では内部に組み込まれている部品を取り外し、自身の手で手入れを行います。そうすることで構造や仕組みを理解するとともに、ひとつひとつの機器に愛着を感じるようになりました。来月から始まる遠洋航海にむけて、機器のトラブルが発生しないよう丁寧な作業をこころがけ、万が一トラブルが発生した場合でも冷静かつ正しい判断が行えるよう機関科造修作業に関する様々な知識や経験を身につけて参ります。

(機関科 森井 郁佳)

燃料噴射弁を整備する機関科実習生
燃料噴射弁を整備する機関科実習生

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