第70期 第1号 各科実習、搭載艇揚降訓練・操船訓練

2023年12月28日

日時

 令和5年12月2日(土)~12月16日(土)

場所

呉~和歌山県沖

天候  ー

12月に入り、4学年乗船実習が始まりました。乗船期間は航海科、機関科、通信科でそれぞれ異なりますが、海上保安大学校で4年間学んできた航海や海の法律に関する知識、リーダーシップを様々な訓練において発揮し、卒業前の最後の実習として、ふさわしいものになるよう本科70期生一同、全身全力で取り組んでいきます。

そして、私達が現在乗っている練習船こじまは来年度の世界一周の遠洋航海をもって配属が変わり、新練習船いつくしまが就役します。約30年間、長きにわたり私達に様々なことを教えてくれた練習船こじまに感謝の意を込め、練習船こじまとしての最後の4学年乗船実習に励んでいきます。

航海科実習生のコメント

航海科では航海計画と呼ばれるものを作成しています。航海計画とは本船が目的地に向かうまでの航路を海図上にラインとして引き、航海をする上で必要な事項を記入したものです。海は道路と違い決められた道がないため、その海域の特性(潮流、船舶交通量、漁業の種類等)、昼夜における可視距離、浅瀬との距離等を考慮し、最適なコースを作成しなければなりません。航海計画作成後、実際に自身が作成したコースを本船が航行するため航海計画作成は大きなやりがいはありますが、かなり大変な作業でもあります。

しかし、航海士として必要な知識、能力を大きく向上させることができるものであるので、今後も安全に航行することができるような航海計画の作成に努めて参ります。

(航海科 福永 大地) 

航海計画を立てる航海科実習生
航海計画を立てる航海科実習生

航海科実習生は、航海中に操舵室で航海当直に入り、船を安全に航行できるよう訓練しています。航海当直は基本的に5人1組で行います。航海当直中は各組に教官が付き、私たちの操船について随時、指導してもらいます。そして、航海当直が終了するとその当直内で起きた事を全体で振り返り、避航動作や航海計器の有効な活用方法について反省会が行われます。そこでは、教官の方々が豊富な知識と経験を基に、私たちが海上保安大学校で学んだ座学の内容のみでは身に付けることができなかった操船スキルを教えてくれます。私たちは、約1年後に主任として現場に配属されます。限られた時間の中でより一層成長をするために、この実習中に学んだことは全て吸収し、自分のものにしていきたいと思います。

(航海科 本多 陸)

航海当直後に反省会をする実習生とこじま教官
航海当直後に反省会をする実習生とこじま教官

機関科実習生のコメント

機関科実習生は12月にこじまに乗船し、航海実習、1月は船の構造を学ぶために造船所に実習に行き、2月は船の修理整備を学ぶため、実際に定期修理をしている練習船こじまにおいて実習を行います。4学年乗船は3学年乗船の復習かつ遠洋航海に向けての準備期間でもあるため、同期と協力して教え合い、より質の高い実習にしていきたいです。航海中は安全に船が運航できるように交代で当直に入り、五感を活用しエンジンや発電機等の機器類の監視、操作をしています。この乗船では遠洋航海で良いスタートをきることができるように着々と知識や技能を身に付け、故障等のトラブルにも迅速に対応できるように取り組んでいきます。

(機関科 枇杷木 詔斗)

機関室を点検する機関科実習生
機関室を点検する機関科実習生

搭載艇揚降操船訓練に参加した実習生のコメント

搭載艇揚降操船訓練は、巡視船に搭載されている小型艇を海面まで降下させ、本船から離脱した後に操船練習を行い、その後、揚収するという訓練です。今回、私は指揮者の指示のもとで作業を行う作業員として訓練に臨みました。搭載艇揚降は指揮者が適切な指示を出し、それに対し各作業員が与えられた作業を正確に果たさなければ成り立ちません。そのような訓練を通して、指揮者と作業員の意思疎通の大切さ、全体を把握して指示、行動することの重要性を学びました。また、意思疎通や全体把握といったことは危険を防止し、「安全」を守ることにも繋がります。将来、私達は指揮者として作業員の安全管理を行うことや安全に対する意識の共有を行う重要な役割を担います。ひとつのチームとして安全を作り上げていけるように今後も取り組んでいきます。

(機関科 知念 叶夢)

搭載艇揚降作業を行う実習生
搭載艇揚降作業を行う実習生

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