第69期 第19号 呉入港

2023年8月10日

日時

 令和5年8月2日(水)

場所

天候  ー

私達69期実習生47名、国際航海実習課程研修生5名の計52名は、総航程2万5600マイル、101日間の乗船実習を終え、無事呉に入港することができました。今年度は実に4年ぶりの世界一周の実習となり、台風5号の影響でフィリピンに入港することは叶いませんでしたが、サンフランシスコ、ボルチモア、ピレウス、シンガポールと4ヶ所の寄港地を訪れることができました。また、パナマ運河及びスエズ運河の通航、海外の海上保安機関との合同訓練や施設見学、在外勤務されている方からの業務講話、実習生が主体的に行った訓練等、様々な経験をし、多くの事を学びました。

私達は今後、海上保安大学校にて国際業務課程という研修を修了した後、12月に初級幹部として全国の巡視船に赴任します。4年間の大学校生活や本遠洋航海で学んだことに誇りを持ち、胸を張って現場赴任したいと思います。

第69期こじまだよりは本号で終了となります。この度はご愛読誠にありがとうございました。次回は、第70期こじまだよりを冬頃から掲載予定となっております。お楽しみに!

航海科実習生のコメント

私は、航海科班長として遠洋航海実習に挑みました。航海科班長は、船を運行する航海科の実習生をまとめる仕事があります。私は、今までの学生生活では表に立って人を指揮することはあまりありませんでしたが、約3か月間の実習で人の前に立つことの難しさを学ぶと共に、やりがいを感じました。上手に指揮できず、どうすればよいのかを悩むこともありましたが、同期に相談することで解決策が浮かび実習を乗り越えることができました。

主任航海士として最前線の現場に配属され、世界の海で学び得たことを遺憾なく発揮し、海上保安業務を遂行できるように今後も自己研鑽に努めて参ります。

(航海科 塩津 翔 実習生)

呉入港時の様子
呉入港時の様子

機関科実習生のコメント

この遠洋航海では、3、4学年の際の乗船実習で行ってきた訓練よりも更に実動に近い訓練を実習生自身で計画、立案することで、初級幹部として現場で求められる能力を高めました。私が所属している機関科の実習では、様々な機関トラブルへの対応や機器の整備等、長期航海ならではの経験を積むことができました。しかし、同時に自分の能力の低さを感じる瞬間も多々あり、約4か月後の現場赴任に対して不安はありますが、この3か月間で得たものは大きな財産であり、今後の自分の成長に役立つものだと確信しています。

振り返ればあっという間に終わってしまった遠洋航海でしたが、世界一周という長旅を共にしたこじまや私達実習生を支えて下さった乗組員の方々に感謝の気持ちを忘れずに現場に赴任したいと思います。

(機関科 木之下 拓海 実習生)

入港時の記念撮影
入港時の記念撮影

機関科実習生のコメント

3か月の遠洋航海が終わりました。4月に呉を出港した際は日本を離れる寂しさや乗船実習に対する不安でいっぱいでした。実際に出港してからは寄港地まで携帯電話も繋がらず、実習中では自分の理想とする初級幹部のレベルと自分自身のレベルとのギャップに悩み、気持ちが滅入ることも多々ありました。しかし、振り返れば多くの学びを得た3か月間でした。船務の基礎はもちろん、これまでの乗船実習で経験した訓練に加え、より現場での対応を意識した訓練を行う等現場赴任に向け少しずつではありますが、着実に必要な知識・技術を身に付けられたように思います。また、各科の教官方だけでなく乗組員の方とも積極的にコミュニケーションを取ることで初級幹部として求められる能力を身に付けることができました。

乗船実習はこれで終了となりますが、現場赴任までの残り約4か月間においても多くの事を学び、胸を張って現場に赴任できるよう頑張っていきます。

(機関科 大野 真心 研修生)

呉市公式キャラクター「呉氏」と共に
呉市公式キャラクター「呉氏」と共に

通信科実習生のコメント

4年ぶりの世界一周航海ということで、実際に世界の海を回り様々な船や陸上通信局との通信を経験することができました。慣れない英語での通信が飛び交う中でも遭難信号への対応や各国海上保安機関への連絡等、実際に英語を使って通信をするという貴重な体験をすることができました。また、気象情報や安全に関する情報の放送の仕方が各国で少しずつ異なっており、地域毎の気象や地形の特色を感じることができました。海賊等各地の情勢に応じた通信も多くあり、その国が直面している問題も目の当たりにすることになり非常に勉強になりました。

今回、遠洋航海を通じて他国の通信の状況を知ることができ、日本の海上通信の特徴についてもより深い理解に繋がったと思います。

(通信科 東條 鉄平 実習生)

 

家族等が迎える中、呉入港
家族等が迎える中、呉入港

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