第69期 第15号 ピレウス入港

2023年7月18日

日時

 令和5年6月20日(火)~6月24日(土)

場所

ピレウス港

天候  ー

私たちはボルチモアを出港した後、大西洋~地中海を航行し、6月20日にギリシャのピレウスに入港しました。入港初日には、日本大使館主催のレセプションに招待して頂き、大使館職員の方々やギリシャ沿岸警備隊の方々、現地で活躍されている邦人の方々とお話し、知見を広めることができました。停泊3日目には、ギリシャ沿岸警備隊の施設見学及びプレゼンテーションを拝聴し、ギリシャの置かれている立場や地中海で起きている難民問題について学びました。

休日は、歴史あるギリシャの街を散策し、古の人々の暮らしに思いを馳せるとともに、現地の人々とのコミュニケーションを通して、日本とヨーロッパとの文化の違いを肌で感じることができました。

航海計画を作成した実習生のコメント

前回の寄港地であるボルチモアからピレウスまでの総距離約9,100kmを安全に航海するために、呉出港の4月24日よりも前から同期と協力して、通航時の6月における天候や漁業等の傾向を参考にしながら航海計画を作成しました。初めて航行する海域の特徴等を一から調べることは、現場を見据えた上でとても良い経験となりました。

遠洋航海も残り半分となり船内生活にも慣れ始めた時期ですが、主任航海士として現場に赴任して業務を行う上で、必要な知識や課題がまだまだ多くあります。

(航海科 田中 光河)

入港のために乗船した水先人と記念撮影する実習生
入港のために乗船した水先人と記念撮影する実習生

業務講話拝聴・ギリシャ沿岸警備隊の施設見学をした実習生のコメント

ピレウス入港日に、日本大使館で勤務されている方からギリシャの治安状況や大使館での仕事についての業務講話をして頂きました。文化や風習が異なる海外の地で、日本の代表として活躍されている方が意識していること、外交の課題について知ることができる非常に貴重な機会でした。

また、ギリシャ沿岸警備隊とその中にある JRCC (Joint Rescue Coordinate Center) の施設見学をさせて頂きました。見学の最中、ギリシャも隣国との問題や、海難救助等についての話を聞き、多少の違いはあるものの、海上保安庁と同じような課題を抱えており、また海上保安機関として、日本と同じく正義仁愛のもと人命救助に尽力し、海上の安全を守っているのだと感じました。今後はシンガポール、フィリピンに寄港する予定ですが、引き続き現地でたくさんの文化に触れ、実りある実習にしたいと思います。

(航海科 加藤 啓太)

ギリシャ沿岸警備隊施設見学での集合写真
ギリシャ沿岸警備隊施設見学での集合写真

休日を満喫した実習生のコメント

私は休養日に、観光のためアテネへ行きました。第一言語が英語ではない国への渡航は今回が初めてでしたので、前の寄港地であるアメリカに比べ、コミュニケーションを取ることが難しいと感じました。しかし、事前に同期と覚えていった「ヤーサス」というギリシャ語での挨拶をしてみると、現地の方は笑顔で返してくださり、やはりどこの国でも挨拶がコミュニケーションの第一歩であると実感しました。

アテネでは古代ギリシャ時代から残る数々の遺跡を目にし、その壮大な雰囲気に目を奪われました。また博物館では、これまで学ぶ機会のなかったギリシャ神話にも触れ、新たな知見を深めることができました。残る寄港地でも、様々な文化や歴史に触れ、国際感覚の涵養に努めて参ります。

(航海科 東海 日和子)

休日を満喫する実習生
休日を満喫する実習生

ピレウス港で燃料搭載を行った実習生のコメント

ピレウス港で機関科としての大きな仕事である燃料搭載を行いました。遠洋航海が始まって4回目の燃料搭載でしたが、普段と違い陸上のタンクローリーからの搭載となりました。機関科実習生一同、初めてのタンクローリーからの燃料搭載でしたが、大きなミスもなく安全に終えることができました。私たちは、この遠洋航海終了後、「国際業務課程」という研修を修了すると主任機関士として現場に配属されます。燃料搭載を始めとして、燃料油や潤滑油などの油の管理は、主任機関士の業務の一つであり、現場に出てすぐ私たちの仕事になります。

燃料搭載前は、日々の燃料消費量から搭載量を決めて計画を立てなければなりません。また、搭載中にも燃料タンクの計測や搭載量の計算、油が漏出していないかを確認するための警戒などを行います。現在は実習生が実習生に対して指示を出していますが、現場では部下に対して指示を出します。現場に出て部下にケガをさせることなく指揮ができるよう残り数少ない実習に真摯に取り組み自信を持って現場に出られるよう頑張っていきます。

(機関科 野町 竜司)

現地燃料搭載業者と打合せ中の機関科実習生
現地燃料搭載業者と打合せ中の機関科実習生

PAGE TOP