第69期 第12号 各科実習USCGA(U.S.Coast Guard Academy)学生乗船関連、パナマ運河通航

2023年6月9日

日時

 令和5年5月13日(土)~5月31日(水)

場所

サンフランシスコ~ボルチモア航行間、パナマ運河

天候  ー

練習船こじまは、アメリカ西海岸のサンフランシスコを出港し、次の寄港地であるアメリカ東海岸のボルチモアに向けて航行しております。この間ではUSCGA学生4名が乗船し、共に実習に励んでおります。また、5月24日には海上輸送の要衡であるパナマ運河を通航し、新たな経験や見識を深める貴重な実習となっております。今回のこじまだよりでは、USCGA学生との交流、パナマ運河通航時の様子について紹介します。

USCGA学生との交流プログラムを統括した実習生のコメント

私は、USCGA学生との交流プログラムの統括実習生として、様々な事前準備や調整を行い、万全の受け入れ態勢を作り、こじまの船内生活に関して不自由が無いようにサポートを行いました。普段の作業内容や機器の使い方などを英語で説明する際、言葉が出てこないことが多々ありましたが、その都度調べ、伝えました。

その結果、USCGA学生にこじまや海上保安庁について理解を深めて貰うと同時に、私自身の英語能力を向上させることができたと実感しました。また、交流プログラムの準備段階では、USCGAの学生がこじまに馴染めるか心配していましたが、USCGAの学生は私達のために英会話教室を開いてくれたり、日本語や日本文化について教えて欲しいと言ってくれたりと寄り添う姿勢が見られ、非常に嬉しく思いました。交流プログラムがUSCGとの関係を強固にするものであると信じ、そして、近い将来の日米海上保安機関の懸け橋となるべく引き続き精進して参ります。

(航海科 稲多 蛍輝)

USCGA学生と歓談する実習生
USCGA学生と歓談する実習生

USCGA学生と寝室を共にした実習生のコメント

私はUSCGA学生の乗船期間中、USCGA学生の1名と同じ部屋となり、寝食を共にしました。お互いに生活や文化の違いから、入浴や食事などの説明で戸惑うことがありました。加えて、それらを自身の拙い英語で説明することはとても難しかったです。しかし、ある日、寝室で私が一発芸を披露するとUSCGA学生から笑顔がこぼれ、笑いは万国共通であることを実感しました。

この約2週間を通してUSCGA学生との親睦を深めることができました。今後、海上保安庁が他国と良好な関係を築く上で、その根底となる英語能力の向上は必要不可欠なので、今後も各寄港地で積極的に英語を使用し、この遠洋航海を通して、国際感覚の涵養に努めていきます。

(航海科 二宮 雅生)

USCGA学生と実習生
USCGA学生と実習生

パナマ運河通航で船橋当直を担当した実習生のコメント

現地時間5月23日から24日にかけて、こじまはパナマ運河を通航しました。パナマ運河は太平洋と大西洋を東西に結ぶ海上交通における要衡であり、年間通航船舶隻数は約1万2千隻にも上ります。また、パナマ運河は注水と排水を繰り返しながら水位を上下させて通航する閘門式水路と呼ばれる運河であり、閘門内を通過する際には陸岸の機関車と船をワイヤーで繋ぎ引っ張ることで進んでいきます。

通航中、実際に、注排水により船が上下していく様子や機関車によって引っ張られていく様子を見たり、水先人が操船する際に独特な雰囲気を感じたりと、遠洋航海でしかできない貴重な経験をすることができました。この後にも、スエズ運河通航やヨーロッパや東南アジア諸国への寄港を控えております。今後もこの遠洋航海を通して自身の見識を深めていきます。

(航海科 真﨑 輝)

こじまが電気機関車に曳かれる様子
こじまが電気機関車に曳かれる様子

パナマ運河通航時、私は船橋でエンジンを操縦する配置につきました。運河通航中、こじまに乗船してきた現地の水先人に操船の指示を受けましたが、英語による操船号令に戸惑いながらも無事にパナマ運河を通航させることができました。海上保安大学校に入学する前から楽しみにしていたパナマ運河を通航することができ、大変嬉しく感じました。普段は機関室内での作業が多く外の景色は見られませんが、今回船橋において、熱帯地域の樹木や突然のスコールに見舞われる様子を目の当たりにし、遠洋航海ならではの貴重な経験となりました。航行海域が太平洋から大西洋となり新たな海域に入りますが、しっかり地面に足をつけるが如く、初心を忘れず、これからの実習も頑張っていきます。

(機関科 小崎 裕斗)

パナマ運河を見学する実習生・乗組員
パナマ運河を見学する実習生・乗組員

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