第69期 第11号 想定訓練(防火・防水部署)

2023年6月9日

日時

 令和5年5月20日(土)、5月27日(土)

場所

サンフランシスコ~ボルチモア航行間

天候  ー

呉を出港してから約1ヶ月が経ち、航海中は船舶を運航させるための実習だけでなく、事案対応を想定した訓練も日々行っています。今回は、自船で火災が起きた際、発動される防火部署の訓練及び、水線下に破口が生じた際、発動される防水部署の訓練を行いました。

これら2つの訓練は船で火災や浸水が起きた際、自船を守るために迅速かつ適切な行動をとることができるようになるために必要となる重要な訓練です。また、今回は初めて訓練の企画・立案・進行の全てを実習生自身が行いました。

防火訓練に総指揮として参加した実習生のコメント

今回、私は総指揮として防火訓練に参加しました。総指揮(船における船長)は、航海当直や機関当直、現場指揮から収集した情報等を基に、船全体としての方針を立て冷静な判断を下す役割を担います。訓練では、本船の火災制御図(FIRE CONTROL PLAN)を確認しながら、常に乗組員の人命を最優先に考えつつ最善な方針を決断することの難しさ、乗組員の命を背負う重責を強く実感しました。

私たちは現場に出ると直ちに、指揮者として部下の安全を監督する立場になります。今回の訓練を通して得た指揮者としての感覚を忘れることなく、今後の訓練や現場で最大限に発揮していきたいと思います。

(通信科 小池 悠仁)

総指揮として方針を伝える実習生
総指揮として方針を伝える実習生

防火訓練に総指揮付として参加した実習生のコメント

私は、総指揮付として防火訓練に参加しました。総指揮付は、総指揮に集まる情報を、フローチャート等を用いて整理し、必要に応じて助言を行い、状況の理解や的確な判断を助ける役割を担います。消火現場から上がってくる膨大な情報を適切に扱わなければ、情報の錯綜や指揮系統の乱れ、現場の混乱を招くことになります。本当の火災現場であれば、乗組員の怪我、最悪の場合には死人を出す可能性もあり、自身の一つ一つの発言に大きな責任があることを実感しました。

今回の訓練では、自身が現場に出て部下を指揮統率するにはまだまだ未熟であると実感しました。今後も様々な訓練や実習を通じて自身の指揮統率能力を高め、自信を持って現場に出ることができるように頑張ります。

(機関科 水町 匠)

消火活動中の実習生
消火活動中の実習生

防水訓練の企画班班長を担当した実習生のコメント

私は企画班として訓練内容の起案を行いました。訓練を円滑に進めるためには予め防水の知識を深め、どの場所が浸水すると何の資機材が使えるのか、排水設備の能力はどのくらいなのかなど防水部署に関連することを全て知っておく必要があります。そして訓練中は、それらの知識をフル活用して実習生の行動に応じて想定を付与する等の迅速な対応が求められ、訓練を進行していく難しさを実感しました。

本訓練を実習生主体となって企画・立案し、実際に訓練を行う立場を経験してみて、今まで得た知識を応用することや安全管理の徹底について学ぶことができました。

企画班として得た臨機応変な対応や訓練の円滑な進行を今後の実習や現場で活かしていきたいです。

(航海科 稲富 大祐)

破口からの浸水を塞ぐ実習生
破口からの浸水を塞ぐ実習生

防水訓練に機関当直として参加した実習生のコメント

防水訓練では機関当直の班長として参加しました。浸水箇所の発見・機関室への浸水を防ぐ水密扉の使用・各種ポンプ類を使用しての排水処理や排水量の計算、更には漏電対応等、刻一刻と浸水が迫る中、迅速な対応が常に求められることが大変でした。

事前に想定される状況を考え迅速に対応出来るように事前準備をして臨みましたが、上手くいかないことが多くあり、自身の未熟さを実感しました。今後、訓練で行ったようなことが実際に起きた際、適切かつ迅速な対応ができるよう、今回の訓練で得た経験・知識を1つも無駄にすることなく、残り少ない実習期間を大切に過ごしていきたいです。

(機関科 泉 千寛)

破口の処置を行う実習生
破口の処置を行う実習生

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