第69期 第1号 搭載艇揚降操船訓練・各科実習

2022年12月20日

日時

 令和4年12月3日(土)~12月20日(火)

場所  海上保安大学校 こじま専用桟橋
天候  ー

12月に入り、本科第69期の学生生活最後となる4学年乗船実習が始まりました。搭載艇揚降操船訓練では、指揮者を中心に安全面に気を配りながら訓練を行いました。また、各科実習として、航海科は本実習中に行われる航海の計画作成、機関科は燃料搭載の実習を行いました。

搭載艇揚降操船訓練に参加した実習生のコメント

搭載艇揚降操船訓練は、7名の作業員が指揮者の指揮のもと、巡視船に搭載されている高速警備救難艇や救命艇を海面まで降下させ、本船から離脱した後に、操船練習を行い、その後揚収するという訓練であり、1学年乗船実習から行ってきた基本的な訓練の1つです。

今回の訓練では、作業員として実際に作業を行うことで危険箇所を再認識し、指揮者として注意しなければならない部分を確認することができました。また、作業員として指揮者を見ることで、指揮がどのような立ち位置や声、身振りをすれば作業員に伝わりやすいのかを把握することができました。私たちは約1年後には現場に赴任し、主任として指揮者となり作業員の安全管理を行うため、危険箇所について熟知し、それらをわかりやすく作業員に伝えなければなりません。この非常に重要な訓練も大学校卒業までに残り数回しか行うことができません。数少ない機会を大切にして知識や経験を得られるよう尽力して参ります。

(航海科 工藤 祐嗣)

警救艇の揚降指揮を行う実習生の様子
警救艇の揚降指揮を行う実習生の様子

今回行った搭載艇の揚降作業は、海難救助等の現場において迅速性が求められる作業ですが、危険な作業であるため安全性にも十分に注意しなければなりません。安全に作業を行うためには指揮者と作業員の全員が共通認識を持つ必要があり、こちらの認識に相違が生じると重大な事故に繋がってしまいます。

今回の訓練では、指揮者へ自分の意思を伝えることや、指揮者として全体に目を配ることの難しさを痛感することができました。将来、幹部として部下の命を守っていくためにも、もっと全体に目を配れるようにならなければいけないと感じました。

(機関科 源田 駿助)

警救艇の揚降作業を行う実習生の様子
警救艇の揚降作業を行う実習生の様子

航海計画を担当した実習生のコメント

航海計画とは、船が安全に航行できるよう事前に船が航海する海域が安全であるか調べながら、出入港時や要注意場所の通過日時の決定などを行い、実際に航行する線(コースライン)を海図上に記入するというものです。航海計画を立てるには様々なことを考慮しなければなりません。ある地域においては特殊な船の航行の方法 (航法)が設定されていたり、海には水面下に潜む見えない岩(暗岩)が存在していたり、昼夜によってどのルートを取るべきなのか等、航海計画で航海における注意点を事前に整理しておくことは、船の安全運航のために非常に重要な役割を担っています。航海計画は膨大な量の情報を集めなければならず、とても大変な作業ではありますが、実際に自分が引いたコースで船が安全に航行できている時には非常にやりがいを感じます。これからも安全運航を心がけて航海計画に尽力していきたいと思います。

(航海科 戸田 樹)

航海計画を作成する実習生の様子
航海計画を作成する実習生の様子

大型船への燃料搭載は、海上にて燃料油を運搬し給油するための船(バージ船)から燃料を移送します。この作業は私たちが主任機関士として現場に配属されてすぐに任される仕事の一つです。

燃料搭載前には、契約会社や燃料の種類、量などを考えて計画を立てなければなりません。また、燃料搭載中には、正確な量を搭載するために燃料タンク内の油量を計測したり、バージ船に乗り、送油の流量から搭載量の計算を行ったりします。更には、海洋汚染防止のために、燃料が流出しないよう常に警戒するとともに、万が一の場合に備える必要があります。燃料搭載は端的に言えば給油するだけではありますが、それには様々な作業を行わなければならず、また、海上で行うため多くの注意点があり、学ばなければならないことがたくさんあります。燃料搭載などの機関科の実習も訓練等と同様にひたむきに取り組み、現場で活躍できるように努めて参ります。

(機関科 大野 真心)

搭載する燃料の温度を計測する実習の様子
搭載する燃料の温度を計測する実習の様子

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