第68期 第5号 ドック実習

2022年3月9日

日時

 令和4年2月8日(火)~3月9日(水)

場所  ー
天候  ー

こじまは、定期修理のために2月8日基地を出港しJMU(ジャパンマリンユナイテッド)呉事業所に入渠しました。これに伴い、実習もドックでの整備実習となります。今回のドック整備では、約1カ月の期間をかけて、法定検査を受けるとともに、航海中に故障が生じた部分や普段作業が行えない部分を整備します。入渠とは、渠内の水を全て排出し、船体が水に浸かっていない状態にすることです。航海中には見ることの出来ない船底部分、プロペラ部分などを露わな状態にします。航海科は、錆取りやペンキ塗りなどの作業、機関科は機器の開放整備、弁や管の清掃や交換作業、通信科は通信機器やアンテナの整備を行います。

現場に出れば、私たちは監督者として工事が適正に行われているか確認をしたり、所定の検査に立ち会ったりするなど、責任のある立場で対応することとなります。私たち実習生は、各科の作業の体験に加え、実際に検査に立ち会い、ドック整備における職務を身をもって学ぶことになります。

短い期間ではありますが、在学中に経験できるドック実習は一度きりです。安全管理を徹底し、有意義なものとなるよう各々取り組んでいます。

航海科実習生のコメント

ドック実習では、通常の航海実習では経験することができない船体塗装や錆取りなど船体の整備を行っています。また、ドック実習中は船体設備の検査があり、その監督も行っています。そこでは普段見ることができないタンクの中の確認や出入港で取り扱う装置の分解などを行っているため、どういった構造でこの装置が作動しているか等詳しく見られるとても良い経験になっています。ドックの際にこじまの乗組員の方たちがどういったことを行っているのかをこの実習でしっかりと学び、現場に出た際に役立てられるよう、引き続きドック実習を頑張りたいと思います。

 (航海科 中西 奎仁)

入渠し船体外板の塗装作業が行われるこじま
入渠し船体外板の塗装作業が行われるこじま

航海科実習生のコメント

ドック実習では、船体の整備、業者に依頼した作業の監督に加え、専攻科での遠洋航海に向けた航海計画及び出入港・通航要領の立案をしています。これまで立案してきた国内航海用のものとは異なり、海外の海図や水路誌を用いるので英語の知識が必要となったり、国内航海とは異なる航法を用いるので計算が複雑になったりします。しかし、遠洋航海においても安全運航という面ではこれまでと変わりません。任された仕事に責任を持ち、実際に巡視船を運航する者の気持ちを考えながら、これまでの経験を活かして作業を進めていきたいと思います。その他、ドック実習での作業はどれも、主任航海士として必ず身につけることが必要となるものばかりです。実習期間も残りわずかですが、最後まで気持ちを切らさず積極的に取り組んでいきたいと思います。

 (航海科 藤本 雄紀)

検査に立ち会う航海科実習生
検査に立ち会う航海科実習生

機関科実習生のコメント

皆さんは復水器をご存じでしょうか。復水器というのは熱交換器の一種であり、熱を持った蒸気を海水で冷やして水に戻す役割があります。この復水器の中には海水が通っていることから、中に大量のごみや貝が付着します。こういったごみや貝が堆積していくと冷却能力が低下していきます。そのため、今回は復水器を分解し、付着しているごみや貝の除去を行いました。復水器の中の管は冷却能力を上げるため、多数の管を設けることで表面積を増やしています。今回はこの管一つ一つを細くて長い棒状のブラシで清掃しました。

復水器を分解すると異臭と共に大量の堆積物が出てきました。また、管の入口と出口には多くの貝が付着しており、管がふさがれている箇所もありました。今回の実習では、復水器に限らず多くの機械の中の構造を見ることができ、より深く理解することができました。

(機関科 永吉 春道)

錨鎖の塗装を行う航海科実習生
錨鎖の塗装を行う航海科実習生

機関科実習生のコメント

私たち機関科実習生はドック実習中、様々な機器の点検整備や交換などの作業にあたっています。バルブや潤滑油の交換、こし器の清掃など毎日異なる作業があり、これらは航海中に行うことはできません。またそれに伴って、日頃見ることのできない機関の内部を自らの目で見ることができます。ドック実習も残りわずかですが遠洋航海を控えるこじまの整備に励むとともに、この機会を有意義に活用して機関の知識を深めていきます。

(機関科 女屋 樹生)

開放した機器の説明を受ける機関科実習生
開放した機器の説明を受ける機関科実習生

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