第68期 第4号 航海実習 名古屋~呉

2022年2月1日

日時

 令和4年1月28日(金)~2月1日(火)

場所  ー
天候  ー

4学年航海実習も残す寄港地は神戸港のみとなり、長く厳しい実習にも終わりが見えてきました。しかし呉へ戻るためには船舶交通がふくそうする海域、航路を越えていく必要があります。呉へ戻るまでに4学年航海実習で得た知識、技術を実践し無事に航海実習を終えたいと思います。

今回寄港した名古屋港では第四管区海上保安本部長にご講話を頂き、1年後現場へ配属される私たちに対し、若手の主任として必要な心構え等をご教授いただきました。

今回の航海では、浦賀水道航路、中ノ瀬航路、伊良湖水道航路、明石海峡航路、備讃瀬戸航路、来島海峡航路の通航に際し航海科実習生から機関科実習生に対して各航路について説明する機会が設けられました。航海科実習生にとっては各航路の通航要領の復習となり、機関科実習生にとっては新しい知識を得る機会となりました。

第四管区海上保安本部長の講話を聴いた実習生のコメント

名古屋港寄港時には永家本部長に来船いただき、自らのご経験に基づいたお話を拝聴しました。若い海上保安官の武器は元気だから、ベテランの指示を素直に聞き、瞬発力を活かすような働きをすること。現場に赴任してまず初めにやるべきことは一緒に働く人の顔と名前を覚えること。いずれも現場赴任を目前に控え不安になっていた私たちの背中を力強く押してくださるメッセージでした。今後の乗船実習も前のめりに学び、更に体力、精神力も付け、元気よく現場に飛び出していきたいです。

 (航海科 園田 莉子)

永家第四管区海上保安本部長の講話を受ける実習生の様子
永家第四管区海上保安本部長の講話を受ける実習生の様子

明石海峡航路通航時に航路説明を行った実習生のコメント

明石市と聞いて何を連想しますか。大多数は、明石焼き、明石だこ、明石鯛、いかなごのくぎ煮といった海産物に関連するものを連想されると思います。それでは、なぜ、これほどにまで明石市は海産物に恵まれるのでしょうか。それは明石海峡の海底は起伏が多く、潮流が複雑であることから好漁場となっているからです。この好漁場でもある海域に設定されているのが明石海峡航路です。明石海峡航路は阪神方面からの船舶と紀伊水道方面からの船舶の合流地でもあり非常に多くの船舶が行き交う航路となっています。前述のとおり、好漁場でもある明石海峡航路では、多くの種類の漁業が行われていることからも、明石海峡航路を航行する船舶は航法に従うだけでなく、漁船との見合いにも十分注意しなければなりません。

今年の航海実習では様々な航路見学を行いましたが、どの航路にも言えることは、航路が設定された経緯を調べることで、その海域の特徴と漁業、さらにはその地域の文化、歴史、地理についても詳しくなるということです。今回明石海峡航路を調べることで明石市を詳しく知ることができたことから他の航路についても調べてみたいと思いました。

(航海科 稲原 新)

備讃瀬戸航路通航時に航路説明を聴いた実習生のコメント

私たちは播磨灘から燧灘(ひうちなだ)へ向けて、備讃瀬戸東航路と備讃瀬戸北航路を通航しました。これらの航路は1日の船舶通航量が1000隻を超える国内有数の主要航路の1つです。3学年乗船実習に引き続き、2回目の航路見学となりました。今回の航海実習では、大学校で操船シミュレーションを実施した後に、航路見学に臨みました。船舶交通の流れを勉強する上で、水島航路と備讃瀬戸航路の交差部を見学することができたことは、大変貴重な経験となりました。

まもなく学生としての乗船実習を終え、次は専攻科研修生としてこじまに乗船することになります。より一層、自分自身のスキルアップに努めて参ります。

 (航海科 金子 慧星)

備讃瀬戸航路の説明を行っている航海科実習生の様子
備讃瀬戸航路の説明を行っている航海科実習生の様子

弓削島沖でアンカーワッチを行った実習生のコメント

私たちは1月31日から2月1日にかけて、弓削島沖で錨を降ろし、機関を停止させて1泊しました。その際はアンカーワッチといって時間を区切り、交代制で常時船員が船橋内で見張りを行わなければなりません。アンカーワッチ中は、船舶の走錨監視、気象観測、見張りを行います。天候は比較的穏やかで、船が風や波に流される心配はありませんでした。

私たちが錨泊した弓削島沖は、来島海峡航路の出入口付近であり、また、三原瀬戸の付近でもあったことから、常時船舶の航行があり、夜間の船舶の見え方、航行の仕方等、アンカーワッチ中に多くのことを学ぶことができました。

(航海科 矢田 周平)

海図上で船位を確認する実習生の様子
海図上で船位を確認する実習生の様子

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