第67期 第12号 応急訓練

2021年6月29日

日時 令和3年6月17日(木曜日)
場所 太平洋上
天候

応急訓練とは、航海科、機関科、通信科の各科が所掌する機器の復旧や非常時の対応を訓練するものです。
例えば、船内電源が喪失した場合、エンジンや舵等の航海上必要不可欠な装置が使用出来ない状態となり、大変危険な状況となります。
本訓練では、そのような状況下であっても、冷静に対応するための知識や判断力の涵養を図りました。

実習生のコメント

応急操舵訓練において、私は応急班として活動しました。
通常、舵は油圧ポンプを使用しており、舵輪の操作で舵を取りますが、船内電源喪失下では、油圧ポンプを運転できず、人力で操作する必要があります。
この方法は人力操舵と呼ばれ、相当な体力が必要であるとともに、船橋と連絡を密にとり、迅速かつ正確な動作が要求されます。
4学年時のドック実習で見学した巨大な舵を人力で操作していることに驚きを覚えつつも、素早い電源復旧を願い、必死に作業しました。

(航海科 北 大輝)

 

船橋にはレーダーをはじめとする航海計器が多数存在します。
それらの多くは電力を動力源としているため、電源喪失状態でも使用可能な計器の把握や、自船の非常事態を周囲の船舶へ伝達する方法、そして自力航行不可能な状態下における安全な船位の保持等、航海科として多くのことを考える必要がありました。
今回の訓練を通して今の自分に不足していると感じた点を見直し、現場で活躍できる力を身につけたいです。

(航海科 中村 恭子)

 

船内電源が喪失した場合、まずは発電機を復旧することが機関科の使命といえます。
私は発電機や機関室内の各種ポンプを操作する配電盤係を担当しましたが、主機を起動するまでに時間を要してしまい、多くの課題が残りました。
今回は太平洋上の周囲に船舶が存在しない海域で訓練を行いましたが、輻輳海域では一刻の猶予も許されないため、第2回の応急訓練に今回の反省を活かしていきます。

(機関科 高橋 佳祐)

 

通信応急訓練では、中核となる主任通信士として通信長や通信士補と共に対応することが求められました。
事前に電気系統図や外部機関への連絡方法を確認しましたが、非常灯の僅かな赤い光が灯るだけの、静閑とした雰囲気の通信室に動揺し、緊張と焦りから十分な力を発揮するに至りませんでした。
非常事態でも落ち着いて冷静な判断を下せるように、日々の実習の段階から意識を変えていきたいと思います。

(通信科 籠橋 真由子)

人力操舵の様子
人力操舵の様子
船橋にて操船機能を確認する様子
船橋にて操船機能を確認する様子
配電盤を修理する様子
配電盤を修理する様子
通信機器の状態を確認する様子
通信機器の状態を確認する様子

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