1学年及び初任科 端艇とう漕巡航を終えて

2021年6月30日

本科1学年59名及び初任科研修生29名は、端艇(カッター)による1泊2日のとう漕巡航を行いました。

端艇は、4月に入学して最初の訓練でした。1艇約15名で息を合わせてオールを漕がなければ進まないカッターを通して、海に慣れ親しみ協調性を高めました。また、訓練で徐々にとう漕距離を伸ばし、総括として全行程33海里(約60キロメートル)の航海を行い、気力・体力を錬成しました。

学生・研修生のコメント

私は、艇指揮として、全体の進行状況や安全管理などに重きを置き、14名の同期と共に端艇で航海しました。訓練の際に漕いだ距離と比べて数倍長い道のりに初めは全員が不安な表情を浮かべていましたが、協力しながら漕いでいくうちにそのような表情は無くなり笑顔が溢れていました。


また、航海計画や準備などを含め、この巡航は教官の指示なくして行いました。これらのことは艇の全員にとっても、良い経験や思い出になったことと思います。今回の経験を艇の全員が無駄にすることなく研鑽し、幹部候補生としてより成長していきます。

(本科1学年 佐藤 勇斗)


 私は、艇長として、ハンドコンパスを使用して針路を確認する、航海計画に沿って的確な運航を行うなど、船艇の運航において基本となる様々な経験ができました。


最初の訓練では、3.5海里漕ぐのも体力が持続せず一苦労でしたが、最終的には一日に18海里漕ぐことができ、自分たちの成長を実感することができました。

端艇巡航を通して同期との繋がりがさらに強まり、また、体力的な成長も多くありました。端艇訓練で学んだことを今後の授業、訓練に活かしていきます。

(本科1学年 大庭 隆聖)


私は、今回の端艇巡航を通じて、同期と協力する大切さを強く感じました。約33海里を漕ぎ続けたことだけではなく、出港前の搭載物品の準備、夜間のアンカーワッチなどこの2日間は、1人の力では乗り越えられないことばかりでした。特に、2日目は疲労も蓄積し漕ぐ手を止めたくなる時もありましたが、共に頑張っている同期と声を掛け合い、最後に大学校に入港するまで笑顔で乗り越えることができました。この経験をもとにこれからの大学校生活をより充実したものにしていきます。

(本科1学年 村木 拓海)


私は、端艇巡航訓練を通して、計画を立てることの大切さと同期の大切さを学びました。一人一人が当てられた役割を自覚し計画を立て行動しなければ、上手く作業が進みませんが、私の艇ではミーティングを開くことにより、全員が計画を把握することができ、ほとんどの作業が効率的に終えることができました。

また、精神的に厳しいときも同期で盛り上げ励ましあうことによって乗り越えることができました。これらの経験をこれからの大学校生活に活かし、同期と切磋琢磨し取り組んでいきます。

 (本科1学年 房宗 佳汰)


総員14名の艇員で海上保安大学校を出発しました。航行中は苦しいこともありましたが、仲間からの励ましやこれまでの訓練で養った気力・体力を以て乗り越えることができました。また、その中で、雄大な島山やそれを取り囲む海など瀬戸内海の自然を全身で感じ取ることもできました。長い航海の末、目的地が見えた頃には自身の中で今までの疲れが充実感に変わってゆく感覚を覚えました。今回の巡航を通して、船乗りとしての一歩を着実に踏み出せたと感じています。

 (初任科  伊東 天晴)


私は、今回の端艇巡航を通して、同期の絆と逆境への立ち向かう姿勢を学びました。遠く長い道のりで、つらく心が折れそうなときも、同期と声を掛け、鼓舞し続け、ゴールに到達できました。オールを漕ぐ際も力が入らなくなり、無心で漕ぎ続け、本能が震えて新しい自分が目覚めた気がしました。追い込まれた時に、出てくる自分というものを少しだけ感じることができ、非常に良い経験となりました。ここで感じたことを今後の生活にも生かしていきます。

(初任科  中村 一生)


とう漕中巡視船とすれ違いエールをもらう
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ハンドコンパスで針路を測定
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