第68期 第8号 各科実習

2022年5月21日

日時

 令和4年5月6日(金)~5月21日(土)

場所  太平洋上
天候  ー

呉から太平洋を横断し、サンフランシスコに向けた遠洋航海が始まりました。昨年度・一昨年度とは異なり、サンフランシスコに上陸することができる予定です。航海科は天体観測による自船位置の計算、機関科は造水装置などの様々な機器の整備、通信科は観測した気象情報の発信等、遠洋航海特有の船務も行います。国内航海では滅多に見ることができない満点の星空をたどり、サンフランシスコまであと少しです。

実習生のコメント

航海科実習では、六分儀という道具を用いて星や太陽の高度を測り、自船の位置を求める航海術である天測航法を行っています。波や風の影響を受け常に揺れている中で測定しなければならず、計算量も多いため、正確な位置を割り出すのはかなり難しく、慣れないうちは誤差もかなり大きい状態でしたが、回数を重ねるたびに、実際の位置と近い位置を求められるようになってきており、自分自身の成長を実感することができました。これまでの大学校の座学で学んだ理論をこじまで実践し、天測の技術を向上できるよう、これからも実習に励んで参ります。

(航海科 新立陸斗)

太陽を観測する実習生
太陽を観測する実習生

5月12日10時40分ごろ日付変更線を通過しました。訓練が連日続く忙しい日々の中、日付変更線通過を祝し、実習生が主体となって企画した、日付け変更線通過祭が開かれました。様々な企画を通じて乗組員と実習生が交流する良い機会となり、長い航海における束の間の休息をとることができました。5月21日のサンフランシスコ入港まで残りわずかとなりましたがこれからも各科実習、訓練を通じて成長していきます。

(機関科 池田次朗)

日付変更線祭で大縄跳びをする様子
日付変更線祭で大縄跳びをする様子

機関科は様々な機器の整備を担当しており、中でも水不足を補うために遠洋航海のような長期航海中は、造水装置を運転します。造水装置は取り込んだ海水を加熱し沸騰させ、発生した蒸気を冷やして復水することで蒸留水を得る装置です。この蒸留水はバクテリアが含まれている可能性があるため、飲料水としては使用できず、洗濯や入浴などに用いています。陸上での生活では水は蛇口をひねれば出るものでしたが、船内では必要なものがすぐに手に入るわけではなく、特に今航海のように故障した場合は、すぐに修理できるわけでもありません。陸上での便利な生活が懐かしく思われますが、与えられた環境でできる限り成長できるよう、実習に励みます。

(機関科 萬玉礼香)

機関室で造水装置を整備する実習生
機関室で造水装置を整備する実習生

私は通信科として、当番中に航海科が観測した気象観測情報、自船の位置情報の発信を行っております。洋上の天気図や天気予報を作成するためには航行中の船舶の気象観測の結果が必要です。本船での観測結果を基にした気象情報を利用して航行する船舶もいます。具体的な作業としては観測結果を専用の端末とソフトで数字に変換し、人工衛星を中継して送信しています。入力ミスがないように確認作業は集中して行います。この他にも今までの乗船実習では経験できなかった事が本遠洋航海には様々あります。これからも一つ一つ経験を積み、来たる現場に向けて準備をして参ります。

(通信科 加賀谷凌也)

通信室で法律の条文を調べる実習生
通信室で法律の条文を調べる実習生

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