第68期 第1号 搭載艇揚降操船訓練・各科実習

2021年12月22日

日時

 令和3年12月3日(金)~12月22日(水)

場所  海上保安大学校 こじま専用桟橋
天候  —

12月、いよいよ私たち本科68期の4学年乗船実習が始まり、停泊中の訓練や航海に向けた準備がスタートしました。搭載艇揚降操船訓練では本船に搭載されている艇を揚降し、事案発生時、安全迅速に作業を行えるよう訓練を行いました。また、各科実習では、航海科は寄港する港の特徴を調べ、各寄港地間をどのように航海するか計画を立てました。一方、機関科はその計画と今までの航海を基に、燃料の消費量を計算し、必要量の燃料の搭載を行いました。

通航要領の作成を担当した実習生のコメント

私は今回の乗船実習において通航する航路の一つである、伊良湖水道航路についての特徴をまとめた通航要領を作成しました。海上交通安全法に定められる航路は、船舶交通の整流を目的に様々な決まりごとがあるため、通航する場所を決めると同時に、その海域の特徴について調べる必要があります。私たちは座学で法律については学んでいますが、安全な航海を行えるように、法律だけではなく、幅広く、海についての知識を高めていきたいと思います。

(航海科 鈴木 亜実)

  

通航要領を作成する実習生の様子
通航要領を作成する実習生の様子

航海計画を担当した実習生のコメント

航海計画では安全に航海するために、事前に航海する海域を下調べし、海図上に線(コースライン)を引き、航海航路、針路、速力等を決定します。私たちは、この航海計画に基づいて船の運航を行います。また、航海中は定期的に自船の位置を海図上に示し、計画したラインとずれはないか、安全な海域を航行できているか等を確認します。このため、航海計画を作成するにあたっては、自船の航行能力、気象海象、船舶の輻輳(ふくそう)度合その他多くの事を考慮しなければなりません。

私は、ただ単に海図上にラインを引くのではなく、自分自身が操船者となってその海域を航行していることを意識しながら航海計画を立てようと思います。

(航海科 加藤 正輝)

 

海図にコースラインを引く実習生の様子
海図にコースラインを引く実習生の様子

搭載艇揚降訓練に参加した実習生のコメント

巡視船に搭載されている高速警備救難艇や救命艇を海面まで降下させる作業や、その後揚収する作業は、指揮者と合計7名の作業員がそれぞれの役割を果たすことで、安全に遂行することができます。指揮者は各作業員の作業を管理し、危険が予期されるときには適切に指摘しなければなりません。また、作業員も自身の作業を実施前に指揮者及び全体に申告し、安全な態勢で作業を行うことが事故を防ぐ重要なポイントとなります。今回の訓練では、私たちは自身の作業に集中するあまりに全体に目が配れていなかったと痛感することができました。現場に出れば私たちは指揮者として搭載艇を揚降することになります。そのため、一人一人が指揮者の目を持って今後も訓練に臨まなければならないと感じました。

(機関科 木村 真紘)

高速警備救難艇の揚降作業を行う実習生の様子
高速警備救難艇の揚降作業を行う実習生の様子

燃料搭載を担当した実習生のコメント

燃料搭載は、単にバージ船(燃料油を運搬する船舶)を手配し、燃料を搭載するだけではありません。計画段階では、自船のタンクの容量、搭載当日のタンクの状態、搭載後船体に生じる傾きの予測等、様々なことを考慮します。今回の燃料搭載においては一度計画を立てたものの、直前の呉入港時に船体の傾斜が生じ、搭載計画を考え直さないといけない可能性がありました。燃料搭載は、一歩間違えれば重大な事故につながり、私たちの海を汚してしまうかもしれません。燃料搭載自体が直接的に私たちの海を守るという仕事に直結するわけではありませんが、だからこそ抜かりなく、計画性をもって安全に作業を行うべきだと感じました。

(機関科 森 海斗)

機関制御室で燃料搭載の指揮を執る実習生の様子
機関制御室で燃料搭載の指揮を執る実習生の様子

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