第67期 第11号 各科実習(天測等)、日付変更線通過
2021年6月29日
日時 | 令和3年6月8日(火曜日)~6月19日(土曜日) |
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場所 | 太平洋 |
天候 | ー |
6月8日(火)に呉を出港した私たちは、ホノルルまでの約2週間の航海中に様々な実習を行いました。
航海科は天測による位置の計算、機関科は現状の速力や今後の航海計画を基にした残燃料の計算、通信科は他国への通信等、各科ごとに遠洋航海特有の経験を積むことができました。
実習生のコメント
天測とはレーダー等の電子機器が存在しない時代から受け継がれている航海術のひとつであり、六分儀と呼ばれる道具を用いて太陽や星の高度を測定し、測定した高度から自船の船位を割り出す方法です。
波や風の影響を受け常に動揺が生じる船上において、正確に高度を測定することは至難の業ですが、大学校で学んだ理論や計算方法を繰り返し実践することで、航海士としてのスキルを身につけていきたいと思います。
(航海科 藤田 欣己)
日付変更線通過を祝し実習生が主体となって行われた催し物では、様々な企画を通じて乗組員と実習生の距離も縮まり、長期間に及ぶ航海の疲れも癒すことができました。
また、飛行機ではなく船で日付変更線を通過するという貴重な経験ができ、一生の思い出となりました。私自身、実習生と主任の変更線を越えることができるように、残る航海も精進して参ります。
(機関科 飯牟禮 大喜)
船内では主に飲用水として清水、トイレの洗浄用として海水を使用しています。出港時には数百トンの清水を搭載していますが、長期行動となる遠洋航海では節水を心掛けていても不足する可能性があり、洋上生活における清水不足は死活問題といえます。
そこで機関科では、海水から清水を生成する造水装置を運転し、生成した水は洗濯や入浴に用いることで清水不足の解消を図っています。
(機関科 吉岡 和海)
私たちはミッドウェー沖において、第二次世界大戦で亡くなられた多くの日本兵に対し、献花及び献酒を行いました。
付近に島影はなく見渡す限りの大海原でしたが、数日間にわたる大規模な海戦で日本海軍は空母4隻、航空機約300機に及ぶ甚大な被害を受けた場所として、私たちの記憶に刻まれました。
武力ではなく法による支配の重要性を改めて認識する機会となりました。
(通信科 松中 優樹)