第67期 第5号 ドック実習

2021年2月22日

日時  令和3年2月22日(月曜日)
場所 ジャパンマリンユナイテッド呉事務所
天候 晴れ 気温 19.0℃

練習船こじまは、2月8日に基地を出港し、JMUのドックに入渠しました。ドックでは、船舶が安全に航行できるよう船体や機関の整備を行うとともに、備え置くべき物品が搭載されているか等を検査します。実習生は整備作業に加え、各科の教官や乗組員と共に船体の状態や、整備状況の確認を行います。こうして、ドック実習を通じ、現場における主任の士として必要とされる知識の習得に努めることになります。

また、航海科実習生にあっては整備作業と並行して、海図の改補や遠洋航海の航海計画の立案を行います。

こじまのドック実習において、航海科実習生が行う作業として海図の改補があります。海図の改補とは、水路、沿岸、港湾等の状況が変化している場合があるため、それらの情報を水路通報から把握し、所持している海図の内容を最新の状態に更新することです。これを行うため、手書きで修正したり、補正図を貼り付けたりして作業しています。こじまは各学年の乗船実習を通して日本全国に寄港するため、改補を行う海図の量は膨大なものとなりとても大変ですが、私たちが改補した海図を使用して、他の学年の乗船実習が行われるため、安全な航海を実施するために必要不可欠な作業です。全ての乗船実習が安全で有意義なものとなるよう、一つ一つ丁寧に改補作業を行っています。

(航海科 池田 尚樹)

航海計画の立案、海図の改補を行う航海科実習生の様子
航海計画の立案、海図の改補を行う航海科実習生の様子

ドック実習中における航海科実習生のコメント

私たち機関科実習生はドック実習において機関の整備作業を行いました。主な作業として船内各所にあるバルブの取り替えがあります。バルブは機関室内をはじめとする様々な場所に多数存在し、一つ一つボルトを緩めて取り外しては整備済みのバルブに付け替えます。ただバルブを付けるという単純な作業ではありますが、配管と接触する部分に傷があったり、付ける際に接続部分の部品を一つでも付け忘れたりすると液漏れを起こし、機関の安全な運転に支障を来す恐れがあります。そのため、付け忘れがないように何度も同期と確認しながら責任を持って行うことで、大きなやりがいを感じることができました。ドック実習を経験して、さらに成長できるように精進していきたいと思います。

(機関科 上田橋 怜央)

バルブの付け替えを行う機関科実習生の様子
バルブの付け替えを行う機関科実習生の様子

ドック実習中における機関科実習生のコメント

私がこのドック実習で強く印象に残っていることは、監督班として船舶検査官による検査を見学したことです。検査官による検査を見学することで、造修担当の主任機関士が行う監督業務がどのようなものなのかについて学ぶことが出来ました。また、私達の行う作業は毎日異なり、ドック工事の監督や整備作業の実施等があります。また、主任機関士がドック側と整備作業の詳細な部分まで確認を行う話し合いも見学しました。ドック側との話し合いでは、自分の伝え方によってドックの工事に影響を与えてしまうため、責任持って指示を出すことが求められると実感しました。ドック実習も残りわずかではありますが、学べることは全て吸収し、実習が実りあるものとなるよう、残りの実習にも励んでいきたいと思います。

(機関科 山﨑 悠生)

プロペラの状況を確認する機関科実習生の様子
プロペラの状況を確認する機関科実習生の様子

ドック実習中における航海科実習生のコメント

私は1学年時から乗船実習を行ってきたこじまのドック実習において、ドック工事の確認をしたり、自ら整備作業を行ったりしています。監督班では、実際の作業現場に足を運び、航海計器や船体設備の検査に立ち会い、仕様書どおりに作業が行われているか、安全管理が行き届いているか等を確認しました。また、作業班では、錆打ちやペンキ塗りを行い、自らの手で整備を行うことで、各所の状態を把握することができました。監督班と作業班の両方を経験することによって、ドックではどのような場所に危険があるのかを知ることもできました。1年後、主任航海士として現場に出た時に、安全管理を行う上で必要とされる知識を全て習得できるよう、日々の実習生活を過ごしていきたいと思います。

(航海科 徳永 大海)

船体のペンキ塗りを行う航海科実習生の様子
船体のペンキ塗りを行う航海科実習生の様子

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