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第66期こじまだより第10号「各科実習」

日時 令和2年5月13日(水)~20日(水)

場所 太平洋上



太陽の高度を六分儀を用いて測定する様子"
写真1 太陽の高度を六分儀を用いて測定する様子

 

天文航法の計算を行う様子

写真2 天文航法の計算を行う様子

 

ミッドナイトレポート作成に励む様子

写真3 ミッドナイトレポート作成に励む様子

 

気象観測通報を発信する様子

写真4 気象観測通報を発信する様子


 

 

 

 

 無菌状態の確認を目的とした2週間にわたる国内無寄港航海に引き続き、本遠洋航海で最も航程の長い日付変更線往復航海が始まりました。例年と異なり日付変更線通過後、日本よりもハワイに近い太平洋上において引き返す予定であり、他国に寄港できず非常に残念ですが、この1ヶ月近く続く長い航海は、自身の船務、業務スキル向上の絶好の機会です。航海科は天測による位置の計算、機関科は残燃料の計算、通信科は他国への通信等、遠洋航海特有の船務も行います。現場赴任前の最後の詰め、日付変更線往復航海の各科実習スタートです。

 

 

私たち航海科実習生は、5月13日の出港から天文航法による実習を行っています。以前の航海では見えていた陸岸や建物は見えなくなり、周りに見えるのは限りなく広がる青い海しかありません。周囲に物標がなく、海図上から自船の位置を把握する事は困難なため、昼の太陽観測と夜の天体観測から自船のおおよその位置を算出する天文航法を航海科実習生総員で行っています。航走状態で行う観測は、動揺や風の影響を大きく受けるため、非常に困難な作業です。しかし、観測を続けることで少しずつ慣れ、最初は戸惑いながら行っていた観測も、今では日々の楽しみになっています。これからも実習は続きますが、最後に良い実習だったと言えるよう、またこうして実習が行えることへの感謝を忘れずに取り組んでいきたいと思います。

航海科 岡垣 夢真 実習生  

 

  

3、4年生の乗船実習と大きく違う点は国内航海ではないこと、他船と滅多に遭遇しないこと、そして3時間のワッチ中に多くの時間を計算に当てていることです。計算というのは、太陽及び星の高度を測り自船の位置を把握する、自船がいる位置の日出没を算出する、自船がいる位置で見える星を探すなど、私の想像以上に遥かに多いものでした。呉停泊中に予習は欠かさず行いましたが、いざ実践となった際、思い通りの計算結果が出ないことも多々あります。しかし、同期の知恵と協力を仰ぎ最終的には予想と近い結果に辿り着くことができております。この広い太平洋上において、GPSとのズレが数マイル程で収まることに日々、驚きを隠せません。まだまだ実習は続きますが、今以上に精度の良い結果が算出できるよう、さらに精進して参ります。

(航海科 佐藤 諒 実習生)  

 

    

本遠洋航海は、新型コロナウイルスの影響を受け他国への寄港ができず、二週間の無寄港での国内航海と無寄港の日付変更線往復航海とが続き、例年と比べ楽しみが少ない状況です。さらに、国内航海中においては、プロペラ軸が船体を貫通している箇所から海水が浸入するといった事案もあり、慌しく実習を行っております。日付変更線往復航海では、無寄港かつ航海日数が多いため、燃料への配慮が今まで以上に必要となります。そこで、私たち機関科は、ミッドナイトレポートと呼ばれるものを作成しております。これは、毎日午前0時における今までの航走距離と到着地点までの残りの航走距離から、燃料はそもそも足りるのか、到着地における残燃料はどの程度なのかを計算するものです。燃料が尽きた場合、船を動かすことはできないため、算出は非常に細かく、シビアに行う必要があります。
 今後の実習も、船の燃料のことは自分が一番考えて実習をしていると言えるよう、邁進して参ります。

(機関科 上大湯 克樹 実習生)

 

   

私は通信科として、日々のワッチ中に気象観測通報の発信を行っております。気象観測通報とは、陸上と比較して気象観測点の少ない洋上の天気図や天気予報を作成するために、船舶が気象観測の結果を気象庁へ報告する制度です。本船において通信科は、航海科が観測した結果を、無線機器を用いて気象庁に発信しております。本船での気象観測の結果を参考に、他船は航行していることを念頭に置き、航海科の観測した結果を間違えることなく発信するよう、注意しております。今までの乗船実習では経験できなかった事が本遠洋航海には様々あります。これからも一つ一つ経験を積み、来たる現場に向けて準備をして参ります。

(通信科 浜田 大 実習生)





  



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