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第65期こじまだより第17号「マラッカ・シンガポール海峡通航」

日時 令和元年7月16日(火)
場所 ベンガル湾
天気 曇り 27.0℃ 湿度 70% 南東の風 3m/s


各班班長のブリーフィングの様子"
船橋で見張りに従事する様子

 

搭載艇に乗り救助へ向かう様子
シンガポール港内の船舶の多さに驚愕する様子

 

傷病者を発見した様子
パイロットとの記念写真

 

搬送した傷病者に対応する様子
錨泊中での燃料搭載の様子

 

 

 

  練習船こじまは、荒れるインド洋を抜け、ついにマラッカ・シンガポール海峡(以下、「マシ海峡」という。)を通過し、シンガポール港沖に到着しました。マシ海峡とは、インド洋と南シナ海を結ぶ国際的な主要航路であり、年間約12万隻を超えるタンカーやコンテナ船などの大型船舶が航行しています。マラッカ海峡は、全長約690km、シンガポール海峡は全長約110kmもの長さがあり、そのうち約460kmは通航帯が制限される分離通航方式が採用されています。気象海象にあっては、熱帯性気候に属し、気温28度、湿度70%という高温多湿での通航となりましたが、インド洋を抜けたため、うねりが小さく揺れの少ない状態でした。こじまは例年遠洋航海でマシ海峡を通過していますが、今年度にあっても通航船舶、漁船の多い状況でした。また、この地域特有のシイラ漬け漁が行われ、漁具や浮遊物に注意する必要があることに加え、海賊の多発海域でもあるため、周囲の船舶への監視を徹底するなど海賊警戒を行いながら緊張感を持って操船を行いました。


 私は、マシ海峡通航に際して、同海峡内でも特に船舶交通の輻輳するマラッカ海峡からシンガポール港沖へと向かう海域において船橋の当直に臨みました。マラッカ海峡の航路の幅は非常に狭い海域となっております。しかし、その航路内では、練習船こじまよりも大きさが何倍もある巨大船とすぐ近くですれ違ったり、並走を行ったり、さらには巨大船の影から小さな木造の漁船が突如現れたりするといった状態であり、普段以上に緊張感漂う中での航海となりました。シンガポール港沖では出入港を行う巨大船や漁船、客船がこじまの周りを取り囲み、目まぐるしく変化する周囲船舶との位置関係を把握することが重要となりました。私は見張り役として、双眼鏡・コンパス・レーダー・海図等を駆使し、シンガポール港沖に錨泊する際に操船にかかる嚮導を依頼していた外国のパイロットの方を補助すべく奔走しました。船舶の安全航海の舵取りを任される航海科として、このような海域を通航することは緊張し、疲弊しましたが、同時に、非常に価値ある経験をすることができ、充実感に満たされた当直となりました。

航海科 松本 穂高 実習生

 

 

 マシ海峡通航中、多くの日本船籍の船舶に出会うことがありました。それらの船舶と通信することもあり、日本に近づいてきたという実感が湧いてきました。遠洋航海も終盤になり、パナマ運河やジブラルタル海峡、スエズ運河、マシ海峡をはじめとする世界の海上交通の要衝を通航してきましたが、どの場所でも様々な国籍の船舶に出会うことができました。この遠洋航海を通して船舶が非常に重要な輸送手段の一つであることを改めて実感することができました。現場赴任も近くなり、このような海上交通の要衝を持つ国の海上保安機関との連携に携わることもあるかもしれません。その際、本遠洋航海での経験は大いに役立つことと思います。残りの実習も多くのことを吸収して、無事に日本に帰港できるよう精進していきたいと思います。

(航海科 髙木 淳 実習生)

 

 

 マシ海峡を抜け東経103度となり、地球一周まで残すところ8%となりました。ここに至るまでの約80日間、辛いこともありましたがそんな中にも楽しいことが多くありました。そして様々な国の海上保安機関との交流、休養日での観光はこれまで海外に行ったことのなかった私にとって、見聞を広げる良い機会となりました。振り返ってみると、長い航海日数を乗り越え船内での生活、当直、訓練など様々な面において自信の持てなかった出港前の私とは精神面が大きく変化していると感じます。私たちの現場赴任まで残り僅かです。残された航海、訓練では一つでも多くのことを学び、現場で活躍できるよう気を抜かず努めて参ります。

(機関科 三柳 裕聖 実習生)

 

 練習船こじまは、ついにマシ海峡を通航し、本遠洋航海も終盤へと差し掛かって参りました。シンガポールといえば北緯は1度、長期航海で疲れた私たちを常夏の気候が温かく迎え入れてくれました。シンガポール沖では、長い航海によって少なくなった燃料タンクに、呉まで帰るための燃料を補給すべく、本遠洋航海では初めて洋上(錨泊中)にて燃料搭載を行いました。周りに多数の巨大船舶が錨泊する中、こじまに燃料を供給する船舶を横に付けて行う燃料搭載は、いつも以上に緊迫するものとなりました。呉入港が徐々に近づく中、私たち実習生の呉への思いは、マシ(増し)にマシ(増し)ているところではありますが、気を緩めることなく最後まで全力で実習に取り組んでいきたいと思います。

(機関科 間賀田 祥岳 実習生)


 



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