初任科
海上保安庁の「幹部」となる職員を養成するため、令和2年度から大学卒業者を対象とした、「海上保安官採用試験」を新設しました。
寮生活を行い、団体生活を通して生涯の友を得、相互錬磨とリーダーシップを体得していきます。 卒業後は、初級幹部職員として、日本全国の巡視船等に配属されます。その後、本庁や管区海上保安本部、巡視船等に勤務しつつ、幹部職員として経験を積んでいくことになります。
教育体系
採用後は、4月から海上保安大学校において、初任科として1年間教育を受けたのちに、特修科に編入し、さらに1年間の教育を受けることになります。
特修科とは、海上保安学校卒業者・門司分校修了生を対象とした将来の幹部候補生を育成する研修です。一定期間現場で仕事をした後選抜された職員が、初級幹部として必要な能力を身につけます。
教育内容
本科生と同様、幹部海上保安官として、複雑化・国際化している海上保安業務に対応 するために必要な高度な専門能力を身につけるとともに、航海又は機関の各専攻に分 かれ、海技免状を取得するために必要な海事系の専門的な知識を習得します。
カリキュラム
入学と同時に航海・機関という2つの分野のうち一つを選びます。 1年目は初任科として主に海技免状の取得に向けた科目を履修し、2年目からは特修科(海上保安学校 卒業後、現場経験を経て幹部職員となる者の課程)に編入し、海技免状の取得に向けた科目を履修しながら、 幹部海上保安官として必要な高度な専門能力を身につけることを目的とした科目を履修します。
取得する資格・免許
航海 | 機関 | |
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取得できる資格(履修により取得) | 四級海技士(航海)の筆記試験免除 | 四級海技士(機関)の筆記試験免除 |
一級海上特殊無線技士/二級海上特殊無線技士/一級小型船舶操縦士 | ||
取得を目指す資格(受験により取得) | 一・二・三級海技士(航海)の筆記試験 | 一・二・三級海技士(機関)の筆記試験 |
卒業後の進路
卒業後はまず巡視船の主任職員として配属された後、海難救助、海上環境の保全、海上における治安の確保、海上交通の安全の確保等に従事します。
その後、本庁、管区本部等の陸上勤務となり、海上保安行政の企画・立案あるいは各省庁等との協議、調整等を担い、海上勤務、陸上勤務を交互に経験しながら、さまざまなキャリアを積み幹部職員となります。