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大学ニュース(平成25年度)

1学年端艇訓練・端艇巡航

 私たち本科1学年は4月25日~5月27日までの間に端艇訓練を行い、5月29,30日に、1泊2日の日程で海上保安大学校から横島を経て再び海上保安大学校に戻るという航程で端艇巡航を行いました。
端艇巡航は昭和28年から続く伝統行事で端艇(9mのカッター)に、航海用具、食料、寝袋等を積み込み、とう漕(オールのみで漕ぎ進めること)で航海する訓練です。

【端艇訓練】 4月25日~5月27日
 私たちは7回にわたり端艇訓練を行い、運航の慣熟と慣海性を養いました。訓練では海上保安大学校の付近海域を中心にカッターを漕ぎ、海について身近で学び、また陸上では結索(ロープワーク)の習得に励みました。

【事前準備】 5月28日
 まず、艇を陸にあげ、一晩を過ごす艇をきれいにするために艇内および艇外面の清掃を行いました。また、巡航が出来るよう艇に支柱を立てて、オーニング(防水シート)を張れるようにしたり、錨を装備する等の機材の設置を行い、水や食料、食事の準備に必要なコンロやプロパンガス、さらには、救命胴衣や寝袋等の物品の積み込みを行いました。

【事前準備を終えて】
1学年 吉田 友範
 端艇巡航前日、用意しなければならない物品はとても沢山ありました。カッターの床となるステージ、テントまたは日よけとなるオーニング、マスト、アンカー、調理器具等を長さ9m横幅2.5mのカッターに積み込みました。これだけの物品を過不足なくさらに安全かつ確実に艇の中に積み込むため、艇長、艇指揮が中心となって班員に指示を出し、確定がそれぞれ一丸となって搬入しました。
 カッターは航海中だけではなく航海準備中にも同期の協力なしには何もうまくいかないということがよく分かりました。特に艤装(器材の設置や装備品の積み込み等)を行う際には班員全員の力を一つにして自分たちのカッターを仕上げて、同期の大切さ、協力したときの力の凄さを知りました。

【端艇巡航】
 初日 5月29日
 前日の夜から当日の午前まで雨が降っていたので、装備品の水濡れ防止のため、私たちは出港直前にカッターを海に降ろしました。

 当日は小雨が降っており、これまで行ってきた訓練では経験しなかった程、風も強く、波が高かったので少々不安もありましたが、上級生や研修生の方々に見送られながら、当初の出航予定よりだいぶ遅れましたが無事に横島を目指して出港することができました。

 カッターを漕いでいる間、長時間の航海にもかかわらず、艇内の雰囲気はとても明るく、活気にあふれていました。みんな楽しく漕ぎながらも、真剣に取り組み、とてもよい時間を過ごすことができました。

 そして、出発から約8時間後、ようやく横島に到着しました。カッターを浜に泊める際に、砂浜への停泊作業や器材の設置等で上陸するのに少々手間取ってしまいましたが、無事に全員そろって到着することができました。

 上陸したのちは各班ごとに夕食の準備を行い、少々遅めの夕食をとりました。夕食のメニューは豚キムチ丼、バーベキュー、カレーで楽しい時を過ごすことができました。

 夜、就寝している間に潮の干満により、カッターが座礁しないように艇を見張ってロープの調整を行うために、交代で見張り番を立て、艇の保全に努めました。

二日目 5月30日
 起床後は班ごとに朝食をとり、荷物の片づけや島の清掃などを行い、08:00の出港に向けて準備を開始しました。

出港
 出港する際、器材の格納や錨の引き上げに苦労しながら、無事に08:00に横島を出港し、帰路につきました。皆疲労が溜まって、往きほどの元気はなかったものの、互いに声をかけ励ましあいながら無事、海上保安大学校へ帰ってきました。

片付け
帰港後、2日間お世話になった艇から荷物を降ろし、装備品を撤去して清掃を行いました。皆疲れきってはいましたが、帰港した安心感と32.5海里(約60km)の距離を漕ぎきった達成感からかその顔は晴れやかなものでした。

【感想】
1学年 小笹山 航
 今回の端艇巡航は1学年だけで行われる初めての訓練ということもあり楽しみもありましたが、無事にやり遂げることができるのかという若干の不安もありました。その不安を解消するため、事前の準備では、みんなで協力して普段授業で使用しているカッターを巡航のできるように機材を取り付け、コンロや寝袋などの荷物を積み込んで、万全の状態で挑みました。
 私たちの艇はほかの艇よりも到着が遅かったですが、艇内は常に活気に満ち溢れ、明るい雰囲気の中、とても楽しく漕ぐことができたので良かったです。また、1学年だけで夜を過ごすということで、開放された雰囲気の中、同期の知らなかった一面を知ることができ、私たち63期の結束力も強くなったように思います。
 そして、カッターを漕いでいる際も、波による艇の揺れ方や、風または潮流により艇がどのような影響を受けるのか等を実際に体験することで、海の面白さや怖さを感じることができ、非常に良い経験になりました。
 端艇巡航を通して同期との絆の大切さを改めて感じ、また、様々な体験を通して海についていろいろと学ぶことができ、私自身、成長することができました。今回の経験を今後の生活等で活かしていきたいと思います。

1学年 小林 亮平
 今回の端艇巡航で私が強く感じたことは協力することの大切さです。事前準備では班を運用・主計・航海の3つに分け、限られた時間の中で互いに協力しながら効率よく準備できるよう努めました。また、艇を運航する際には漕ぎ手はもちろん指揮や舵をとる者、見張りをする者など様々な役割が必要となります。それらの者が互いに情報を共有し、意思の疎通を図り、協力することで初めて艇を運航することができます。そして約60kmという長い道のりも、辛いときには互いに励ましあい助け合うことで漕ぎきることができました。いずれも同期との協力なしには達成できないことだったと思います。
 また、この巡航では風や波、潮が艇にどういった影響を与え、どのように対処すれば安全に運航できるかなど、実際に体験しなければわからないような事も体験できたので非常に勉強になりました。今回の巡航での経験を糧にさらに成長していきたいと思います。

1学年 米良 康宏
 今回の端艇巡航に、私は艇指揮として参加しました。そこで感じたことは、出港準備から片付けまで、どのようにしたら効率よく、そして安全に作業ができるかを考えながら人をまとめることの難しさでした。しかしながら、カッターを漕ぐ技術や、仲間との絆など、得るものもたくさんありました。今回の巡航で学んだことは、これからの大学校生活、さらには海上保安官としての人生に必ず生かしていきたいと思います。

2学年 立石 李希人
 まず、今回の端艇巡航を経て、1学年が大きく成長したように思います。海上保安官となる上で欠かせない海での常識、航海技術、仲間との協力、シーマンシップ等々様々なものを学び、全国から集まった見ず知らずの同期の仲間と同じ思い出を共有することができ、各個人が成長し、絆も深まったように思います。  また、1学年も上級生との会話の中で、巡航を経て学んだ船の知識や技術についての話題にも参加することができるようになり、より一層学生間でコミュニケーションをとれるようになったのではないかと思います。
 今後も様々なことに積極的に参加し、より多くの知識や経験を得て、よりよい海上保安官を目指し頑張ってもらいたいと思います。

3学年Ⅲ群 松本 翔太郎
 当日の出港は生憎の悪天候で、無事に航海を達成できるかどうか心配でした。しかし、翌日の午後、無事に大学校に帰ってきて、疲れは目に見えるものの、彼らが同期同士で協力して巡航の後片付けをしている姿を見て安心し、たくましく感じました。

4学年Ⅱ群 長岡 敬祐
 私の印象では、オリエンテーション等の上級生指導から離れた同期だけでの作業をした巡航後の1学年は、巡航前と比べて同期内の結束が一段と強くなったように思えます。また、授業で習った結索等の海技知識を艤装等で実際に使用することで理解・習得が少しは出来たのではないかと思います。今後、更に海技知識を使用する機会は増えるので、今回得たものを今後の大学校生活に活かしてもらいたいです。